軽さは人間工学的、品質管理的見地から考えても全てに良い結果をもたらします。
▲軽量強化磁器の微構造
磁器の中に微細な気孔を形成させることで軽量化を実現しました。(特許申請)
軽量率(%) | 嵩密度(g/cc) | |
軽量強化磁器(fuccino) | 88 | 2.2 |
普通磁器 | 100 | 2.4 |
アルミナ強化磁器 | 115 | 2.7 |
※アルミナ比重4(高密度)アルミナの含有率により数字は変わる
▲窯出し時の焼成変形の比較(当社比)
窯出し時の変形が少ないということは、焼き物の形を維持するために普通磁器では必要とされた厚みを軽減することが出来るという事です。軽量強化磁器の素材の軽量化に加え、形状的な軽量化も合わせて実現できます。
窯出し時の変形が少ないので、従来品では出来なかった、より大きな皿や薄手のもの、特殊形状の製品が作れるようになりました。また、磁器の中に5ミクロン以下の気孔を形成させることで、より軽く、より薄くを実現し、従来品に比べ30%の軽量化に成功しました。
※強度重視型fuccinoもあります。ただし、少々重くなります。
なぜ軽いのに強いのか……。 軽量化は、磁器素地の内部に5ミクロン以下の小さな気孔を、多数発生、存在させることにより可能となりました。しかし、5ミクロン以下の気孔は、磁器の強度をほとんど損なわない大きさです。これ以上大きい気孔になると強度に影響を与えます。また、特殊原料を使用することにより、磁器素地の内部にあらかじめ圧縮応力を持たせることで、一般の磁器より強度を大きくすることが出来ました。
▲軽量強化磁器の微構造
曲げ強度(MPa) | 衝撃強度(J) | |
軽量強化磁器(fuccino) | 140 | 0.25 |
普通磁器 | 80 | 0.15 |
※曲げ強度…無釉状態の強度
※衝撃強度…給食用碗(135φ×59o)の衝撃強度
強さはコストパフォーマンスにも発揮。割れにくく大型洗浄機にも対応し、ホテル・レストランなどの業務用や学校給食用、自立支援食器などに適しています。
磁器の破壊は、磁器の強度以上に引張の応力が発生した場合に起こります。したがって、あらかじめ引張の力(引張応力)の逆の力である圧縮の力(圧縮応力)を磁器内部に付加しておけば、外力により発生した引張応力の力を一定割合相殺して破壊にいたる見かけの強度を大きくすることができます。
▲普通磁器と軽量強化磁器の保温性(当社比)
熱伝導が早い遅いという特性は、極端な例を挙げると、鉄製の容器と焼物の容器を触ったときの違いの様なものです。
熱伝導率(W/m・K) | |
軽量強化磁器(fuccino) | 1.1 |
普通磁器 | 1.6 |
※熱伝導率は、数値が小さいほど熱を伝えにくい。(保温性がよい)
熱を伝えにくいということは、保温性が良いということ。温かい料理は冷めにくく、冷たい料理は冷たさを持続します。家庭でも業務用でもその効果を発揮します。
日本の食育は、まず家庭の躾けからが基本です。しかし、現代の核家族の状況から考えると特に都会においては家族全員が揃って食卓を囲むことも珍しくなった昨今、やはり学校給食の場が食の躾け教育の現場となっていると言っても過言ではありません。
強くて軽い特性は運搬や洗浄機にも適し機能的です。冷めにくいという特性に対しては熱いものが持ちやすくなるので、器を手に持って食事ができ、食卓マナーの教育向上に結びつきます。又、磁器の清潔感や絵付等の加工で温かみを出せる人に優しい食器です。